社会保障制度の給付と負担の世代別格差

仮に生涯賃金が3億円の場合、給付と負担の最大格差は、40年生まれと2005年生まれで約8000万円にも上る。これでも、04年の年金改革で格差は 1000万円近く縮まったが、「焼け石に水」。小泉は社会保障制度の一体見直しを掲げながら、こうした世代間格差の是正にはほとんど切り込めなかった。

「現役世代は老人世代が造った社会資本のサービスをほぼ無料で享受しているのだから、その分多く負担するのは当然」という考え方があるが、それは、未成年に対して一方的に提供したサービスの対価を成人後に強制徴収するビジネスを容認するのと同じことだ。本人の選択権が無視されている。